スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  

Posted by ミリタリーブログ  at 

2017年06月12日

恐怖のFETキラー、AIPモーター

大和型が大型艦建造で出てきてやったーと思ったら武蔵でした(挨拶)
うちの鎮守府には武蔵はいても大和はいない

それはさておき
その昔、修士論文の研究に際しフィールドワークに協力していただいたチームのミニミのスイッチが焼き切れたことがありました
割といじるのが好きな方がハイサイ化を狙ってモーターを換装していたのです
そのモーターはAIPのハイスピードモーター
居合わせた一人が「これってマイクロスイッチ変えてもまた焼き切れるんでないの」というような意見を出し、
「こりゃFETでやった方がよくないか」というお話になりました



当時作ったFETはそのことごとくが強力なAIPモーターの前に敗れ、最終的にAIPモーターは封印されることになったのでした


そんなわけで個人的にAIPのモーターは鬼門になっているのでした


だが、今こそリベンジの時




AIPのHS50000モーターです

今回はこいつを1石で回せるようなスイッチを作るべくやっていきます


さて、当時私が作ったスイッチは、まだまだ未熟なただのFETと抵抗しかない単純なものでした
なので2石化することすらおっかなびっくりで、はんだ付けの技量もまだ時折熱でFETをダメにしてしまうほどでした

今にしてみれば、暴走して当然、しない方がおかしいというありさまでした
あれから随分と時間がたち、あれこれ工夫の末今に至ることとなります


この強敵に対し、どのように対処すべきか
いや、さらに基本に立ち返って、どうすればFETは暴走するのか、させられるのか、ということから始めていきたいと思い、簡単な実験をしてみました

動作試験用に使っているステアーのメカボ(ノーマル)にとりあえずモーターをぶち込み、負荷をかけた状態で回せるようにしました
こいつにFETスイッチを繋げ、実際に暴走させてみる


犠牲になるのはさすがにいつも使っているIRLB3813、というのはなかなかに負担が大きいので今回は問屋さんの不良在庫をゲットしたIRLB8743です
個のFET自体も3813より若干ON抵抗が高いというだけで非常に優秀なFETです
パッケージ違いのIRLR8743は次世代電動ガン用に使っている小型のFETですが、LB8743はより大きなパッケージになっていますが、そのためか全体的な性能自体が高めになっていますね
今はコン電用にVz61用とMP7用に強化版をこれで作っています
普段使っているIRLR8726よりずいぶん性能が高いので重宝しています
もちろん普通のフルサイズ電動ガンを回すのに十分な性能を持っているFETでもあります



とりあえず作ったのは三種類
抵抗のみ
保護回路とSBD付き
保護回路と大容量SBD付き

いずれも一石仕様です



これらをこいつで回します
うちで結構ベテランのFirefoxの7.4V2セルのバッテリーです

当初の仮説としては生き残るのは大容量SBD付きのものになると考えていたのですが


全滅


抵抗のみのものはいくらか回せたものの発熱がいかんともしがたく、保護回路と通常SBDは一回回して暴走、大型SBDも通常SBDよりいくらか耐えたものの、やはり暴走しました


どうもSBDではなく保護回路のダイオードが死んだようで、動作が不安定化して暴走した感じですね
コストの関係で容量の小さな小信号ダイオードを使っていたためかもしれません




なので実験的に開発時の残りのSBDを保護回路に使ってみたんですが

こちらは平気でした
1石でもなんとか回りますが、こちらはほんのりあったかい程度に発熱しますね
2石では全く発熱は感じられませんでした

因みに11.1V三セルのバッテリーで回しても同じでしたね

3813で作ればより効果が高いかもしれませんが、通常使う分にはこれでもいいのかも

暫定的に8743を2石で組んだものを出品しておきますのでご入用の方はどうぞ

もちろんAIP以外のモーターにも使えますし、次回試しますがLONEXのモーターやほかのトルク系モーターと組み合わせてもいいかもしれません

AIPは燃費がシャレにならないという話をちらほら聞きますしね
サイクルは本当に早いんですが

追記
お得意様のユーザーの方にIRLB3813の1石仕様でこれを試していただいたところ、セミの連射でもサクサク動いていたとのこと
1石でもいいのかな?  


Posted by 猫工作兵  at 08:00Comments(0)実験

2013年06月04日

実験 ヒューズの抵抗はどれくらいサイクルに影響するか

今回は実験ということで
まあ、精密な計測機器があるわけではないので、あくまで目安程度になってしまいますが

さて、ハイサイクルや電装系チューンをやる中で、結構やられているのがヒューズレス化

本来安全対策のためにヒューズを入れているものの、実はヒューズそのものが抵抗となると言われています
お手軽検索でおなじみウィキペディア先生によるとヒューズとは

「ヒューズ(fuse)は、定格以上の大電流から電気回路を保護、あるいは加熱や発火といった事故を防止する部品。電気回路内に置かれ、普段は導体として振る舞う。しかし何らかの異常によって電気回路に定格以上の電流が流れると、自らを流れる電流によって発生したジュール熱が自らを溶かし、切断して電気回路に流れる電流を断つ」 ウィキペディアより

というものです

電動ガンの場合ヒューズが働く事例の多くはギアボックス内で何らかのトラブル(ピスクラ、ギア欠けとか)が発生した際で、目的はこのようなときにバッテリーやスイッチを保護することですね

ただ、ガラス管やATSヒューズの原理としては一定の温度で融解し電気の流れを止めるというものですので、やはりただ電気を流すだけの電線とは抵抗値が異なるわけです
だからこそサイクルにも影響を与えるので、抵抗を排除したヒューズレスという選択があるわけです

確かにヒューズレスはサイクルアップに貢献します
とはいえ、万が一のトラブルの折には被害拡大に直結するリスクのあるものです
特にFET仕様の際にはFETの熱暴走という非常に危険な事態を招きます


では、ヒューズは言われるほど抵抗が大きいものなのでしょうか?
標準的な電動ガンに装備されているガラス管ヒューズは抵抗が高いといわれています
海外製の電動ガンやマルイでもHK416に採用され、広く自動車に使われている板ヒューズ(ATSヒューズ)はガラス管のそれよりも低いといわれています
今回はこの二種類のヒューズと、ヒューズレスのFETスイッチを製作し、実際にサイクルを計測してみたいと思います

テスト用FETスイッチの構成はFETと抵抗という最低限のものです
レシピは以下の通り

FET IRL3713(一石)
動力線 MILSPEC適合品AWG16(1.3sq)
はんだ 千住金属工業製 スパークルはんだ70
コネクタ タミヤタイプミニコネクタ(日圧MLコネクタ)
バッテリー FireFox製リポバッテリー 7.4V1100mA15C

タミヤタイプコネクタは普段使っているT型コネクタに比べて抵抗は大きいですが、コネクタピンの差し替えが容易なため、そして広く普及しているため今回はこちらで製作


テストベットは先日我が家に来た89式空挺ストック
とりあえず今のところFET化しただけ
で、注目の結果は



ヒューズレス 15.19発


ATCヒューズ 14.9発



ガラス管ヒューズ 11.78発




おまけ コンデンサ・ダイオードつき高耐久仕様FET 11.84発


まあなんというか、予想以上に抵抗の影響は大きいです
せいぜい1発/秒前後の差かと思っていたのですが、ヒューズレスとATCの差は予測範囲内で下がガラス管ヒューズの方は予想を大きく上回る差異でした
4発は大きいですね
さらにおまけでやった高耐久仕様(うちで出している「改」バージョンですな)もまた結構差が出ます

やはり「ヒューズレスの方がサイクルは上がる」というのは事実の様です
とはいえ、FETの安全性を確保するためには、やはりヒューズの組み込みはお手軽かつ確実な方法です
特に熱暴走でスイッチ入りっぱなしという状態になるならば、非常に危険な事態であることに変わりはありません
もともと無理のあるメカならば別ですが、ピスクラ、ギア欠けなどは適切な対処を行っていても可能性をゼロにすることはできず、となるとメカボのトラブルはやはり撲滅できない……
ヒューズの交換を行うことでFET自体は復活しますので、被害を局限できるお手軽な手段であるといえるでしょう
まあ、サイクル低下だけではなく、ヒューズ設置にはスペースの問題もあるので設置には条件があるともいえますが、可能な限り設置した方がよいといえるでしょう  


Posted by 猫工作兵  at 07:51Comments(1)実験