2015年07月09日
FETの放熱 ~試作FET群
はあ、何とか論文間に合った……
正直まだ書き足りないけどとりあえず様子見
指導教授の査読が怖い
某事件のおかげでただでさえ厳しい論文審査がさらに厳しくなったそうでさらに怖い
あまりに怖いのでとりあえずかねてから考えてた事をやってほんの少し現実逃避しよう
さあ、行きますよ
今回はFETの放熱のお話とそれに伴う試作FET群のお話です
FETは熱を持ちます
それは通電時のON抵抗であったり、ON,OFFを繰り返すことで発生するものであったりですが、今回は前者への対策です
というより後者への対策はSBDをユニットに組み込んでしまえばほぼ無視できるのであんまり問題になりません
きっかけは先日取引のあった方からの質問
「LMGとFETって相性悪いの?」(意訳)
というものでした
これまで作ってきたものは実際の運用はともあれあくまで「アサルトライフル、サブマシンガン、ハンドガン」といったものへの搭載を前提としておりました
これらの銃種はまあ、一般的には継続的な連射で制圧射撃を行うよりは、短連射やセミオートでの運用ですね
しかしLMGは異なります
機関銃はその黎明期から砲兵の一形態(ガトリングガンとか)から防衛線における歩兵火力の補強(マキシム機関銃とか)、さらには歩兵小隊の中核的火力(MG34とか)へと変化していきました
いずれも「小銃よりも継続的に火力を発揮可能である」という点において、戦闘での役割を果たしているという点においては共通しています
まあ、この辺はジョン・C・エリスの「機関銃の社会史」(ちくま学芸文庫刊)にその導入への苦労を含めて詳述されているので、興味のある方はどうぞ
さて、そんなわけでLMGはより継続して射撃することが求められます
ゲームでもたとえ性能的にM4やAKと変わらないとしても、MINIMIなりRPKなりが射撃していると心強かったりおっかなかったりした経験は、一回くらいはあるでしょう
もちろん電動ガンですから、その気になれば300連マガジンなりC-MAGなりぶち込めばその役割を担えるんですが、ここで問題なのは「継続して射撃しなければならない」ということです
冒頭のON抵抗の話にここで戻るわけです
FETは電気を流している間、自身の中から熱が発生します
これはあらゆる電導体が電気を流すとき、それぞれの構成物に応じて一定の抵抗を持っており、その抵抗によってはこばれるエネルギーの一部が熱として失われているのです
これを極端に低下させるのが超電導なんですが、まあそんなことは「今のところ」電動ガンには関係ありません
FETもれいがいではないのです
さて、FETは熱に弱いです
なのであんまり熱くなりすぎると熱暴走を起こし、ほとんどの場合FETは破壊されます
FETがすっ飛んだ時、ユニットが触れないほど熱くなるのはこのためです
では、この熱をどうにかして逃がさなければなりません
ここでいくつかの方法があげられます
一つは根本的な解決である「超低ON抵抗のFETを使う」
これはまあ探せば結構あるものです
ただし、一般的なTO-220規格(3713とかで見られるあの三本脚の奴)ではなかったり、そもそも専用基板とのセットで運用というパターンが多いです
もう一つは放熱用の部品を搭載するという方法
今回はこれをやっていきます
一口に放熱器を増設といっていもいろいろあります
①放熱シート
放熱用のシートです
熱伝導率の高い素材でできたシートであったり、表面が微細な凹凸で覆われて表面積が多くなるようになっているシートです
作業で行くと一番手軽で、しかも絶縁性も備えているものもあるので、いろいろ便利です
モノによっては分厚い両面テープと似たような仕様なので他の放熱器とセットで使うことも可能です
難点はそれほど高い放熱効果は期待できないこと
ちなみにミニミPARA用の2石スイッチはデフォルトでつけてます
②放熱グリス
シリコングリスに金属粉を混ぜ込んで放熱を行うものです
素子に塗って使います
ほかの放熱器と組み合わせることも可能ですが、問題はこのグリス自体が電気を通すことがあるということ
変な塗り方をすると漏電してしまいあぼんです
③放熱器
金属製の格子や放熱フィンでできた放熱器です
パソコンなんかでも開けてみると使われています
表面積を広げることにより放熱を助けます
グリスや放熱シートと併用可能で、効率よく排熱ができます
問題はその構造上飛躍的にユニットの大型化を招くこと
④液冷
エチレングリコールか液体窒素にでも放り込んでおきますかねえ
まあ現実的ではないですね
⑤ペルチェ素子
小型冷却機なんかで使われる素子で、電気を流すと熱を移動させることができます
素子の表面から裏面へ放熱していくことができるので小型のものをユニットに搭載することによって継続して放熱していくことができるかと
問題は電気を流さなければ駆動しないので消費電力ががががががが
⑥空冷
超小型のファンを組み込んで風を当てて強制冷却!
うーん、雷電みたいですね
好きなんですけどね、雷電
かっこいいじゃないですか、あの「でかいエンジンに強武装、足は速いが着陸ががががが」という玄人向けの飛行機って
ええ、もちろん現実的じゃないですよ?
FETサイズのファンはなくはないですが当然ユニットが巨大化します
そんなわけでいろいろ検討した結果、放熱シートと放熱器の合わせ技で行ってみます
サクッと作ってみますね

背面の部分に放熱シートを張り

表面の放熱フィンに放熱両面テープを張り

超小型の放熱器を搭載
なんか特注品なのか、お店のほうでは「あるだけしかないよー」とのこと
ちょうど放熱フィンのサイズにぴったりです
ちなみに放熱シートや両面テープを張った部分、実は電気が流れます
絶縁をちゃんとしておかないとおっかないのですが放熱シートは絶縁性があるのでちょうどよいですね
このレイアウトにしたのは、可能な限り既存のユニットのレイアウトを崩さないため
外形が変わらないのでこれまでの汎用品と同じく使えるはず
さらについでにかねてから放っておいたP90用のFETを交換してしまいましょう
ごくごく簡単な奴、うちで作ってる1型を放り込んでありました
このままでも全く問題なかったんですがまあせっかくですし

デデドン
ごつくなりました
つけられるところには全部放熱器積んでみた
隙間の大きなP90だからできる荒技ですな
メガ盛とでも名付けましょうか
一応理論上はこれでFETの熱が効率よく排出されるはず
正直まだ書き足りないけどとりあえず様子見
指導教授の査読が怖い
某事件のおかげでただでさえ厳しい論文審査がさらに厳しくなったそうでさらに怖い
あまりに怖いのでとりあえずかねてから考えてた事をやってほんの少し現実逃避しよう
さあ、行きますよ
今回はFETの放熱のお話とそれに伴う試作FET群のお話です
FETは熱を持ちます
それは通電時のON抵抗であったり、ON,OFFを繰り返すことで発生するものであったりですが、今回は前者への対策です
というより後者への対策はSBDをユニットに組み込んでしまえばほぼ無視できるのであんまり問題になりません
きっかけは先日取引のあった方からの質問
「LMGとFETって相性悪いの?」(意訳)
というものでした
これまで作ってきたものは実際の運用はともあれあくまで「アサルトライフル、サブマシンガン、ハンドガン」といったものへの搭載を前提としておりました
これらの銃種はまあ、一般的には継続的な連射で制圧射撃を行うよりは、短連射やセミオートでの運用ですね
しかしLMGは異なります
機関銃はその黎明期から砲兵の一形態(ガトリングガンとか)から防衛線における歩兵火力の補強(マキシム機関銃とか)、さらには歩兵小隊の中核的火力(MG34とか)へと変化していきました
いずれも「小銃よりも継続的に火力を発揮可能である」という点において、戦闘での役割を果たしているという点においては共通しています
まあ、この辺はジョン・C・エリスの「機関銃の社会史」(ちくま学芸文庫刊)にその導入への苦労を含めて詳述されているので、興味のある方はどうぞ
さて、そんなわけでLMGはより継続して射撃することが求められます
ゲームでもたとえ性能的にM4やAKと変わらないとしても、MINIMIなりRPKなりが射撃していると心強かったりおっかなかったりした経験は、一回くらいはあるでしょう
もちろん電動ガンですから、その気になれば300連マガジンなりC-MAGなりぶち込めばその役割を担えるんですが、ここで問題なのは「継続して射撃しなければならない」ということです
冒頭のON抵抗の話にここで戻るわけです
FETは電気を流している間、自身の中から熱が発生します
これはあらゆる電導体が電気を流すとき、それぞれの構成物に応じて一定の抵抗を持っており、その抵抗によってはこばれるエネルギーの一部が熱として失われているのです
これを極端に低下させるのが超電導なんですが、まあそんなことは「今のところ」電動ガンには関係ありません
FETもれいがいではないのです
さて、FETは熱に弱いです
なのであんまり熱くなりすぎると熱暴走を起こし、ほとんどの場合FETは破壊されます
FETがすっ飛んだ時、ユニットが触れないほど熱くなるのはこのためです
では、この熱をどうにかして逃がさなければなりません
ここでいくつかの方法があげられます
一つは根本的な解決である「超低ON抵抗のFETを使う」
これはまあ探せば結構あるものです
ただし、一般的なTO-220規格(3713とかで見られるあの三本脚の奴)ではなかったり、そもそも専用基板とのセットで運用というパターンが多いです
もう一つは放熱用の部品を搭載するという方法
今回はこれをやっていきます
一口に放熱器を増設といっていもいろいろあります
①放熱シート
放熱用のシートです
熱伝導率の高い素材でできたシートであったり、表面が微細な凹凸で覆われて表面積が多くなるようになっているシートです
作業で行くと一番手軽で、しかも絶縁性も備えているものもあるので、いろいろ便利です
モノによっては分厚い両面テープと似たような仕様なので他の放熱器とセットで使うことも可能です
難点はそれほど高い放熱効果は期待できないこと
ちなみにミニミPARA用の2石スイッチはデフォルトでつけてます
②放熱グリス
シリコングリスに金属粉を混ぜ込んで放熱を行うものです
素子に塗って使います
ほかの放熱器と組み合わせることも可能ですが、問題はこのグリス自体が電気を通すことがあるということ
変な塗り方をすると漏電してしまいあぼんです
③放熱器
金属製の格子や放熱フィンでできた放熱器です
パソコンなんかでも開けてみると使われています
表面積を広げることにより放熱を助けます
グリスや放熱シートと併用可能で、効率よく排熱ができます
問題はその構造上飛躍的にユニットの大型化を招くこと
④液冷
エチレングリコールか液体窒素にでも放り込んでおきますかねえ
まあ現実的ではないですね
⑤ペルチェ素子
小型冷却機なんかで使われる素子で、電気を流すと熱を移動させることができます
素子の表面から裏面へ放熱していくことができるので小型のものをユニットに搭載することによって継続して放熱していくことができるかと
問題は電気を流さなければ駆動しないので消費電力ががががががが
⑥空冷
超小型のファンを組み込んで風を当てて強制冷却!
うーん、雷電みたいですね
好きなんですけどね、雷電
かっこいいじゃないですか、あの「でかいエンジンに強武装、足は速いが着陸ががががが」という玄人向けの飛行機って
ええ、もちろん現実的じゃないですよ?
FETサイズのファンはなくはないですが当然ユニットが巨大化します
そんなわけでいろいろ検討した結果、放熱シートと放熱器の合わせ技で行ってみます
サクッと作ってみますね

背面の部分に放熱シートを張り

表面の放熱フィンに放熱両面テープを張り

超小型の放熱器を搭載
なんか特注品なのか、お店のほうでは「あるだけしかないよー」とのこと
ちょうど放熱フィンのサイズにぴったりです
ちなみに放熱シートや両面テープを張った部分、実は電気が流れます
絶縁をちゃんとしておかないとおっかないのですが放熱シートは絶縁性があるのでちょうどよいですね
このレイアウトにしたのは、可能な限り既存のユニットのレイアウトを崩さないため
外形が変わらないのでこれまでの汎用品と同じく使えるはず
さらについでにかねてから放っておいたP90用のFETを交換してしまいましょう
ごくごく簡単な奴、うちで作ってる1型を放り込んでありました
このままでも全く問題なかったんですがまあせっかくですし

デデドン
ごつくなりました
つけられるところには全部放熱器積んでみた
隙間の大きなP90だからできる荒技ですな
メガ盛とでも名付けましょうか
一応理論上はこれでFETの熱が効率よく排出されるはず